「ケント紙って画材店で買うと高いよね…」そう思っていた私が、100均のケント紙に出会ったのは2023年の春でした。
趣味でイラストを描いている私は、それまで画材専門店で1枚100円以上するケント紙を購入していました。練習用に気軽に使えるケント紙はないかと探していたところ、ダイソーで「ケント紙」の文字を発見。「100均にケント紙があるの?」と半信半疑で購入したのが始まりです。
使ってみると、その品質に驚きました。画材店のケント紙と遜色なく、むしろ練習用としては十分すぎるクオリティ。それから1年以上、ダイソー、セリア、キャンドゥ3店舗のケント紙を使い比べ、それぞれの特徴や最適な用途を見極めてきました。
この記事では、100均3店舗のケント紙を実際に使用した詳細なレビューと、イラスト制作や工作での活用方法を徹底的にご紹介します。初心者の方から、コストを抑えたい経験者まで、きっと参考になる情報が見つかるはずです。
ケント紙とは?基礎知識

ケント紙の特徴
ケント紙は、表面が非常に滑らかで緻密な高品質の紙です。もともとイギリスのケント地方で作られていたことから、この名前が付けられました。
主な特徴:
- 表面が平滑で滑らか
- 紙の目が細かく緻密
- 厚みがあり丈夫
- 消しゴムで消しても毛羽立ちにくい
- インクのにじみが少ない
- 発色が美しい
ケント紙と普通の画用紙の違い
画用紙とケント紙、何が違うのか混乱する方も多いと思います。実際に両方使ってみて分かった違いをまとめました。
画用紙:
- 表面に凹凸がある
- 柔らかい質感
- 水彩絵の具に適している
- 鉛筆画では紙の目が目立つ
- 比較的安価
ケント紙:
- 表面が滑らか
- 硬めの質感
- ペン画・細密画に適している
- 鉛筆の細かい線が引きやすい
- やや高価(通常は)
私はもともと画用紙でイラストを描いていましたが、ケント紙に変えてから細かい表現ができるようになり、作品のクオリティが格段に上がりました。
ケント紙の用途
イラスト・絵画:
- 鉛筆画・デッサン
- ペン画・線画
- コピックなどのマーカー
- 色鉛筆画
- 細密画
印刷・デザイン:
- 名刺の印刷
- ポストカード制作
- パンフレット
- メニュー表
工作・クラフト:
- ペーパークラフト
- カード作り
- スクラップブッキング
- ポップアップカード
- 型紙作成
私自身は主にイラスト制作に使用していますが、娘の夏休みの工作でも活躍しました。
ダイソーのケント紙徹底レビュー

商品の第一印象
2023年4月、自宅近くのダイソーで初めてケント紙を手に取りました。文房具コーナーの画材コーナーに、白い無地のパッケージで陳列されていました。
商品情報:
- 商品名:「ケント紙 A4」
- 価格:110円(税込)
- サイズ:A4(210×297mm)
- 枚数:10枚入り
- 厚さ:約0.25mm(推定180kg)
- 色:ホワイト
「本当にケント紙?」と疑いながらも、110円なら失敗しても惜しくないと購入しました。
詳細な品質チェック
触感・手触り: パッケージから取り出して最初に触った瞬間、「これは本物だ」と確信しました。表面が非常に滑らかで、指で撫でるとスーッと滑る感覚。ザラザラ感は全くありません。
過去に画材店で購入した某メーカーのケント紙と比較してみましたが、表面の滑らかさはほぼ同等です。
厚み・硬さ: 手に持った感じは、しっかりとした厚みと硬さがあります。薄いコピー用紙と比べると明らかに厚く、曲げてもすぐには折れない剛性があります。
2枚重ねて光にかざすと透けませんでした。これは厚みがしっかりあることの証明です。
白色度: 真っ白というよりは、わずかにクリーム色がかった自然な白です。純白の紙と比べるとやや暖かみのある色調で、個人的には目に優しく感じます。
紙の均一性: 光にかざして確認すると、紙の繊維が非常に均一で、ムラや異物の混入は見られませんでした。安価な紙だと繊維のムラが目立つことがありますが、ダイソーのケント紙は非常に均質です。
イラスト制作での実践使用
鉛筆デッサン: 最初のテストとして、2B鉛筆でポートレートのデッサンを描いてみました。
紙の表面が滑らかなので、鉛筆が引っかかることなくスムーズに動きます。細い線も太い線も思い通りに描けました。特に、髪の毛の一本一本のような細かい表現がしやすいです。
グラデーションも綺麗に表現できました。鉛筆の芯を寝かせて塗った部分は均一に濃淡が出て、ムラになりません。
消しゴムテスト: ケント紙の真価は、消しゴムをかけた時に分かります。
何度も描いては消すを繰り返しましたが、紙の表面が毛羽立つことはありませんでした。普通の画用紙だと、消しゴムを使いすぎると表面がケバケバになって描きにくくなりますが、ダイソーのケント紙は10回以上消しても大丈夫でした。
これは練習用として非常に重要なポイントです。失敗を恐れずに何度でも描き直せます。
ペン画での使用: 0.1mmの製図用ペン(ピグマ)で細密画を描いてみました。
インクのにじみは一切なし。線がくっきりと美しく描けます。細かいクロスハッチング(斜線を重ねる技法)も問題なく、線と線が滲んで繋がることはありませんでした。
ペン先が引っかかることもなく、非常に快適に描けました。
色鉛筆での使用: 油性色鉛筆で塗ってみたところ、発色が良く、色が鮮やかに乗ります。
表面が滑らかなので、色鉛筆が均一に塗れて、ムラになりにくいです。重ね塗りも綺麗にできました。
ただし、水彩色鉛筆で水を使うと、若干の波打ちが発生しました。水分を多く使う技法には向いていないようです。
コピックでの使用: イラスト用マーカー「コピック」でも試してみました。
裏抜けは若干ありますが、許容範囲内です。下に1枚紙を敷けば問題ありません。発色は良好で、グラデーションも綺麗に作れました。
ただし、何度も重ね塗りすると紙が若干ふやけるので、コピック使用には専用紙の方が適していると感じました。
3ヶ月使用後の総合評価
耐久性: 3ヶ月で約30枚使用しましたが、品質のバラつきは感じませんでした。どの紙も均一な品質を保っています。
保管していた残りの紙も、反りや変色は見られませんでした。
コストパフォーマンス: 1枚あたり11円という価格は驚異的です。画材店のケント紙が1枚100円前後することを考えると、約10分の1のコストです。
練習用としては惜しみなく使えるのが最大のメリット。失敗を恐れずに描けるので、上達のスピードが上がったと感じています。
向いている用途・向いていない用途:
向いている用途:
- 鉛筆デッサン・スケッチ
- ペン画・線画
- 色鉛筆画(乾式)
- 練習用イラスト
- 工作・ペーパークラフト
向いていない用途:
- 水彩画(波打ちやすい)
- 大量の水を使う技法
- 本格的なコピック作品(専用紙推奨)
ダイソーケント紙の評価
メリット:
- 圧倒的なコストパフォーマンス
- 画材店の商品と遜色ない品質
- 表面が滑らかで描きやすい
- 消しゴムに強く練習に最適
- 10枚入りで使い切りやすい
- どの店舗でも入手しやすい
デメリット:
- 水彩には向かない
- A4サイズのみ(店舗による)
- 若干クリーム色がかっている
- コピック使用時は裏抜けする
総合評価:★★★★☆(4.5点)
イラスト初心者から中級者まで、練習用として非常におすすめです。私は現在も新しい技法を試す時や、ラフスケッチにはダイソーのケント紙を使っています。本番用作品は画材店の高級ケント紙、練習用はダイソーと使い分けることで、大幅なコスト削減に成功しました。
セリアのケント紙徹底レビュー

商品の第一印象
ダイソーのケント紙に満足していましたが、5月に「他の100均はどうだろう?」と気になり、セリアを訪れました。
商品情報:
- 商品名:「ケント紙 厚口」
- 価格:110円(税込)
- サイズ:A4(210×297mm)
- 枚数:8枚入り
- 厚さ:約0.3mm(推定220kg)
- 色:ピュアホワイト
ダイソーより枚数が少ない代わりに「厚口」という表示が気になり、購入しました。
詳細な品質チェック
第一印象:厚い! パッケージから取り出した瞬間、明らかにダイソーより厚みを感じました。手に持った重量感が違います。
指で曲げてみると、ダイソーより明らかに硬く、しっかりとした剛性があります。
表面の質感: 触ってみると、ダイソーよりもさらに滑らか。まるでシルクのような手触りです。指で撫でると、ほとんど摩擦を感じないレベルの滑らかさ。
これは期待できると直感しました。
白色度の違い: ダイソーと並べて比較すると、セリアの方が明らかに白いです。「ピュアホワイト」という表記通り、真っ白に近い色調です。
写真映えを考えると、こちらの方が良いかもしれません。
紙の密度: 光にかざして確認すると、ダイソーよりもさらに繊維が細かく、密度が高いことが分かります。高級感があります。
エッジの処理: 紙の端を確認すると、カットが非常に丁寧で、毛羽立ちがありません。細部まで品質管理が行き届いている印象です。
イラスト制作での実践使用
細密画での使用: セリアのケント紙で最初に試したのは、0.03mmの極細ペンを使った細密画でした。
驚いたのは、紙の滑らかさです。0.03mmという極細のペン先でも、全く引っかかりがありません。髪の毛より細い線がスムーズに引けます。
ダイソーのケント紙も十分滑らかでしたが、セリアはさらに上を行く滑らかさ。これは本格的な作品制作にも使えるレベルです。
インクの定着: 細密画を描いた後、念のため定着スプレーをかけずに指で軽く触ってみましたが、インクが擦れることはありませんでした。インクの定着性が非常に高いです。
鉛筆画での使用: 4H〜6Bまで様々な硬度の鉛筆で描いてみました。
どの硬度でも美しい線が引けますが、特に硬い鉛筆(4H、2H)での表現が素晴らしいです。固い鉛筆は紙に引っかかりやすいのですが、セリアのケント紙では全くストレスがありません。
グラデーションの美しさも格別です。ダイソーと比べて、より繊細な濃淡表現ができました。
消しゴムへの耐性: ダイソーと同様に、何度消しても毛羽立ちません。むしろ、厚みがある分、消しゴムをかけた時の安定感があります。
練り消しゴムで何度もトントンと叩いても、紙の表面は全く傷みませんでした。
色鉛筆での使用: 油性色鉛筆で風景画を描いてみました。
発色の良さはダイソーを超えています。色がより鮮やかに、より深く発色します。重ね塗りをしても、下の色が濁らず、透明感のある重なりが表現できました。
白色度が高いので、淡い色(パステルカラー)の表現が特に美しいです。
厚みを活かした用途: 厚口ということで、ポストカード作りにも使ってみました。
イラストを描いた後、実際に郵送してみましたが、配送中に折れたり傷んだりすることはありませんでした。この厚みなら、市販のポストカードと同等の強度があります。
2ヶ月使用後の総合評価
品質の安定性: 2ヶ月で約20枚使用しましたが、1枚1枚の品質が非常に安定しています。「当たり外れ」がありません。
保存性: ファイルに挟んで保管していますが、反りや変色は全く見られません。
向いている用途・向いていない用途:
向いている用途:
- 本格的な作品制作
- 細密画・精密なペン画
- 色鉛筆画(特に淡い色)
- ポストカード・カード作り
- 販売用作品
- プレゼント用イラスト
向いていない用途:
- 練習用(コスト的にもったいない)
- 大量に使う用途
- 水彩画
コストパフォーマンスの考察: 1枚あたり約13.75円と、ダイソーより若干高くなりますが、品質を考えれば十分に納得できる価格です。
画材店の高級ケント紙(1枚100円〜200円)と比較すれば、依然として圧倒的なコストパフォーマンスです。
セリアケント紙の評価
メリット:
- 100均とは思えない高品質
- 極めて滑らかな表面
- 厚口で本格作品に使える
- ピュアホワイトで発色が美しい
- ポストカードにも使える強度
- 本番用作品に十分使える
デメリット:
- ダイソーより枚数が少ない(8枚)
- 練習用には少しもったいない
- 店舗によっては在庫が少ない
- 1枚あたりの単価が若干高い
総合評価:★★★★★(5点)
本格的な作品制作を考えている方に強くおすすめします。私は現在、SNSにアップする作品やプレゼント用のイラストにはセリアのケント紙を使っています。品質は画材店の中級〜高級ケント紙に匹敵すると感じています。
キャンドゥのケント紙徹底レビュー
商品の第一印象
ダイソーとセリアで良いケント紙に出会えたので、6月にキャンドゥでも探してみることにしました。
商品情報:
- 商品名:「ケント紙 マルチパック」
- 価格:110円(税込)
- サイズ:A4(210×297mm)5枚 + B5(182×257mm)5枚
- 枚数:計10枚入り
- 厚さ:約0.2mm(推定160kg)
- 色:ナチュラルホワイト
キャンドゥの特徴は、A4とB5のサイズミックスという点です。
詳細な品質チェック
サイズミックスの利点: 開封して、A4が5枚、B5が5枚入っていることを確認しました。
「中途半端では?」と最初は思いましたが、使ってみるとこれが意外と便利でした。
紙質: 厚みはダイソーとセリアの中間くらい。触った感じは、ダイソーに近いです。
表面の滑らかさも十分で、ペンも鉛筆もスムーズに動きます。
白色度: 「ナチュラルホワイト」という表記通り、自然な白色です。ダイソーとセリアの中間的な色調で、目に優しい白さです。
紙の質感: ダイソーやセリアと比べると、若干柔らかい印象です。剛性はやや低めですが、通常の使用には全く問題ありません。

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